⑤性差
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⑤性差

2018年04月20日(金)4:20 PM

●男女の性差

子供の頃は男女の見分けがつきませんが、思春期(高校生)になると第二次性徴といって、性ホルモンの影響によって男女の性差が、身体だけでなく顔にも現れます。

男性は男性ホルモンによって筋肉・骨格がより成長し、男性らしい逞しくゴツゴツした輪郭となります。
皮下脂肪は少なく、筋骨格の輪郭がそのまま反映されていることも「ゴツさ」の一因です。皮膚は硬く厚みがあり、色素が多く浅黒く、毛根も多く太いです。
背は高く、眉丘(額下部)や頬骨、下顎骨が発達して、ゴツゴツと突出した、野生的で男らしい顔つきになります。

女性は男性ホルモンの影響を受けないため、骨はそれほど発達しません。また女性ホルモンの影響で皮下脂肪が多く、丸みのある顔や身体つきとなります。
肌は薄く白く、顔の毛は少なくて女性型の分布をします。


性差は横顔の額~鼻背のラインに現れます。
男性では眉丘が突出し、額が広く平面的で鼻根がくぼんでいるため、ジグザクと直線的な「Zカーブ」となります。 
女性では凹凸が緩やかで、滑らかな「Sカーブ」となります。
男女ともに、「Sカーブ」の実現が理想的とされます。


こうした性差をより理解するには、GID(性同一性障害)の人のSRS(Sex Reassignment Surgery、性別適合手術)が参考になります。
SRSとは狭義には、内外性器を一方の性別につくり変える手術を指しますが、広義には「顔の性別適合手術」としての「顔のSRS」ということもできます。
自我としての性と生物学的な性が不一致であるため、苦悩します。これを身体の性別を外科的に変更することで不一致を解消しよう、というアプローチがSRSです。

特に「MtoF(male to female、男性から女性へ)」のSRSが性差を理解する上で参考になります。

GID(特にMtoF)の人にとって、「外見的に、いかに女性として通用するか」を「パス度」といいます。
第二次性徴に、男性ホルモンの影響を強く受けて輪郭が発達してしまった人の場合、男性的な特徴が強いため、成人からホルモン治療を開始しても、
男性的なゴツさは解消されず、パス度は低いままです。

骨の発達は成長期に決定するものであり、これ以降はホルモン治療に反応しません。成長ホルモンを摂っても背が伸びることはありませんし、女性ホルモンを摂取しても輪郭の骨が委縮して小さくなることはありません。
骨も細胞とその生成物の集合体であり、新陳代謝で分子レベルでは入れ替わっているのですが(リモデリング)、形状が変わることはありません。
これを骨切りや骨削りで物理的に削って除去した場合、細胞などの配置が変わっており、その削った形状は維持されます。

芸能人でもMtoFは数多くいますが、パス度もその実現の方法も人それぞれです。

パス度において重要なことは、成長期にどれだけの年数、男性ホルモンに曝されていたかということです。
日本では、医学的・倫理的リスクの問題から、成人以降にホルモン治療を開始することが通例ですが、骨格のパス度においては遅きに逸します。
そのため海外では、「二次性徴抑制療法」というものがあります。
自分の性別に違和感があっても、価値観が曖昧な小児では、その違和感がGIDによるものだと断定できないのです。
そのため、判断ができる成人になるまでの間、男性女性どちらでも適合しうるように、二次性徴を先送りにするというホルモン抑制療法です。
※Gn-RHアゴニスト(ゴナドトロピン)というホルモンを投与します。ゴナドトロピンとは下垂体から性腺(卵巣、精巣)へ性徴を促すホルモンですが、これの疑似ホルモンを加えることで
本来の下垂体ホルモンを抑制させ、二次性徴の発現を抑制する治療です。思春期の発達の状況を見ながら、以下の選択をすることになります。
①使用を中止して、身体の性の二次性徴を再開するか決める。
②本人の思う性に沿ったホルモンの使用に切り替える。

MTFの場合、男性化を抑えることができるため、社会適応がしやすくなる。
※FTMの場合、卵巣の働きを抑えるため、女性ホルモン分泌を抑制します。月経がなくなり、身長が止まらず、伸びます。

成人以降のホルモン治療では、骨に対する影響はなくとも、皮下脂肪や体毛などの変化があるため有効です。
※GIDと縁のない人にとっては、「何も大人になってから別の性に目覚めなくても・・・」と思うことでしょうが、自我(自分が何であるか)を理解し、それを決定するという作業は困難で、多くの人生経験を要するものです。

・女性ホルモン注射(MtoF)の効果
①乳房の増大、②体毛やひげの減少、③肌の女性化(透明化)、④体脂肪分布、骨盤周囲の脂肪分布の変化、⑤頭髪の増加、はげの改善、⑥筋肉の減少、⑦勃起障害
※女性がより女性らしくなる目的で女性ホルモンを投与することはできません。「胸を少し大きくする」メリットと比較して、血栓症や婦人科系発癌などのリスクのデメリットが大きいからです。
 GIDの人はリスクを承知でホルモン治療を行います。「不一致が苦しすぎて、そんな事を言っている場合ではない」「子供などとっくに諦めている」といった状況です。
※プエラリアというイモから抽出したサプリがありますが、これは女性ホルモン類似物質です。胸を大きくすることに多少は有効と言われています。 

以下は女性ホルモンを投与して、顔が女性化していく様子の画像です。
※あくまで欧米人の1例に過ぎず、アジア人ではここまで変化することはまれです。メイクが上手くなったことも影響します。

 

「顔のSRS」とは、まさに顔の二次性徴を作り替える手術であり、顔や身体についての理解が深まります。
こちらに詳しいので、ご一読ください。
 


●「男性は女性的に」「女性はより女性的に」が美人

男性は、女性的、中性的な顔立ちの方が美男とされます。
女性は、より女性的な特徴を強化した方が美女とされます。

男性は突出が強くゴツ過ぎると、男くさい、昭和的、顔が大きい、不細工などといった印象を持たれます。
古今東西、中性的な男性は美男とされます。
※これは遺伝子の戦略上は矛盾するように思えます。女性が「より強く優秀な遺伝子を求めている」のであれば、男性ホルモンが全開の、ワイルドな男性が美男ということになるはずです。
もちろんワイルド系が好みという女性もいるでしょうが、それは内面的な男らしさであって、男前という訳ではないことが多いです。当サイトでは、顔の造形のみを対象とし、内面的な要素は排除して考えます。

男性ホルモンの影響を強く受けた場合、筋骨隆々で背は高いですが、ゴツゴツしていて体毛・体臭は濃く、好戦的で性欲が強く、頭髪は薄く、浮気性な男性となります。これはどう考えてもモテません。
人間は社会の中で生きていますから、生物学的な「オスらしさ」はあまり評価されないのでしょう。むしろジェンダー(性的役割)としての「男らしさ」や「成熟さ」がより重視されます。
※「ジャニーズ系」とは、中性的な美男らしさと、未熟(童顔)らしさを備えた顔を指します。「年下の可愛い男の子」ということで、美への憧憬や母性本能をくすぐるのでしょう。

一方で女性は、より女性的な特徴が好まれます。より目はパッチリとしている、鼻は大小に関わらず均整がとれている、輪郭は卵型に近い、肌は白いといった特徴です。
また「加令変化(老い)」は、美のマイナス要素とされます(これは「妊娠能力の高いメスを選ぶ」という、遺伝子戦略的にも矛盾しません)。
また「若さ」に加えて「未熟さ(童顔)」も好ましい特徴とされます。我々は未熟な赤ちゃんの顔を見ると、「可愛らしい、庇護の対象」と認識します。
下顎骨が小さく、比較的に目や頭部が大きいという特徴は、「ベビーフェイス(童顔)」「お人形さんみたい」として魅力の一つとされます。



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