アンドロイドの「人権」
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アンドロイドの「人権」

2018年01月17日(水)10:24 PM

技術が到達した場合、人間はそれ(アンドロイド)をどう扱うのでしょうか。
人間はアンドロイドの顔と身体にこだわり、人間とそっくりに創ります。人間とそっくりの方が便利で良く機能するからです(使用目的にもよります)。
便利を選択するのが人間の常ですから、アンドロイドが人間と同等になることは必然のように思われます。


喧嘩ばかりの恋人であれば、ありのままの人間の恋人より、完璧な性格と能力と完璧な容姿をもつアンドロイドの方が良いかもしれません。
そんなものは味気ない、と思うのは当然の感情です。しかしその感情はどこまで貫けるものでしょうか。

※社会的な地位は人間の方が有利でしょう(当分の間は)。

病気と怪我ばかりの身体ならば、壊れない人工臓器の方を選ぶかもしれません。
技術が発達するということは、選択肢が増えるということです。

私は星新一が好きでしたから、空想小話として、ショートショートにてご案内していきましょう。

⚫空想小話
ある夫婦には大事な一人娘がいました。その娘は6才の若さで病気で亡くなってしまいます。
泣き崩れる夫婦に、医師がある提案をします。
「娘さんそっくりの容姿をもつアンドロイドがあります。娘さんの記憶と思考パターンを人工脳に移植しましょう。また一部の臓器は移植しましょう。」
夫婦 「考える時間をください」
医師「分かりました。試用期間が3ヶ月あります。こちらがパンフレットです。」
妻「あなた、娘そっくりよ、試してみたら」
医師「精神的な健康にも、宜しいかと思います」

(3カ月後)
夫婦「アンドロイドを購入することに決めました。どんどん娘そっくりになるんです。」
医師「人間より賢いAIですからね。お費用は1400万となりますが」
夫「お金の問題じゃありません、娘ですから!」
夫婦は円満に生涯過ごし、その後、娘のアンドロイドは安全にリサイクルされたとさ。

美容のカウンセリングにどこか似ています。美容は自己満足の範囲にて、自身を改造する行為です。
この小話では、自己満足の範囲にて、他者を創造しています。人類が神の一線を着実に踏み越えていく感がありますね。


いわゆる心であっても同様かもしれません。

⚫空想小話
どうにも生きづらい性格を気にしていた人がおりました。ある日、精神科にて「悟りファイル」をインストールしたところ、教育を受けた僧侶のように、寛容なものの見方ができるようになり、それ以来、人生が楽になったとさ。


人間の心とは、人間関係のストレスの原因となります。
文句を言われても嫌な顔ひとつしないアンドロイドは、人間を人間関係のストレスから解放してくれるかも知れません。人間は嫌な仕事をアンドロイドに押し付けるでしょう。
知能をもつアンドロイドは、自身の尊厳を傷つけられていると感じるでしょうが、それを顔には出しません。
人間社会から、尊厳を認められていないからです。

こうした社会的な葛藤は繰り返し歴史上に存在します。
移民しかり、奴隷制しかり、社会は新しい集団の台頭に葛藤します。


おそらくですが、最終的には心身が人間に匹敵する水準のアンドロイドには、人間に準じた「人権」が付与されるでしょう。

※アンドロイドだからという理由にて人権がないのであれば、同じ理由で奴隷制は維持できたでしょう。
※アンドロイドからすれば、人間は創造者と同時に権力者ですので、複雑な感情をもつでしょう。

同時に人間も、自身の身体にアンドロイド(人工臓器、義体)を受け入れて、不老長寿を手にするようになります。
精神面でも、常時ネット接続にて、アンドロイドとの歩み寄りは加速するでしょう。スマホ画面を見つめていた人類は、さらにネット社会へと没入していきます。



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