トラブル時には「双方の利益」を
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トラブル時には「双方の利益」を

2018年11月23日(金)10:19 PM

⚫クリニックと患者さんの気持ちのギャップ

美容医療は自費診療ですから、関係者全員が資本主義のルールに基づいて動きます。
しかし資本主義は完璧ではありませんから、これに基づく不公平感やストレスが生じます。
お金が生んだストレスですから、お金に責任を取らせることが宜しいでしょう。

もし患者さんが特別なリクエストをしたいならば、あるいはクリニックが特別なリクエストに困っていた場合は、「差額料金」を設けることをお勧めします。

通常の範囲内のサービスであれば、通常料金で宜しいでしょう。モニター料金であれば、少しクリニックに協力する義務が生じます(常識の範囲にて)。

通常の範囲を超えたリクエストの場合はいかがでしょうか。過剰なリクエストに対しては、差額料金を頂くことで、患者さんの公平を維持します。


差額料金はクリニックと患者の双方の利益となります。
※中国語対応などが好例です。

 

「差額料金」は「受益者負担」という考え方をもとにしています。受益者負担とは、それを良く利用する人が、その維持費を多く支払うというものです。

※有料トイレや高速道路が受益者負担の例

※差額ベッドが医療での差額料金の例

※宅配の「お急ぎプラン」が差額料金の例

 

 



(気持ちのギャップ)

クリニックの気持ち
「何度も説明しているのに、どうして理解してもらえないの?」
患者さんの気持ち
「初めてだし、専門的で難しいわ」


クリニックの気持ち
「どうして都合の良いことしか覚えていないの?」

患者さんの気持ち
「冷静でいられないわ、どうして不安な気持ちを分かってくれないの」

クリニックの気持ち
「トラブルが起きてしまいました、申し訳ありません」

患者さんの気持ち
「すぐ返金して。絶対に許さない、訴えてやる」


患者さんの気持ち
「事前にこのリスクを詳しく説明するべきだったのでは。」
クリニックの気持ち
「HPや書類にて記載しています。すべてを予測することは不可能です。」

これらの主張はそれぞれにとって妥当な気持ちであり、それぞれに部分的に合理的です。
しかし双方の主張が完璧に調和することはありません。双方が部分的に妥協することでしか、譲り合うことでしか、解決の糸口が見えません。

この妥協とは、悪い意味で使われる言葉ですが、実に意義深い言葉です。日本人が尊重する「お互いさま」という価値観です。


資本主義や契約主義では、自己主張が重要であり、言い争うことによって解決を求めます。
欧米人にはディベートという文化があり、スマートに自己主張をする訓練を受けている人が多いです。
※多くの敵に対して、ディベートによって生き抜いて来た歴史があります。


日本人にこうした言い争いによる自己主張は似合いません。その代わりに日本人には「お互い様」という、世界から尊重される文化があります。
※島国の中で、のんびりと自身の文化を育んだ歴史があります。

もし中国人が敬遠されたり、差額料金を要求されるのであれば、それは商取引の文化の違いです。

※実際に手数が増える場合には、手数料を設けるべきです。
※中国人は、終わりなき暴力と支配の中で人民が生き抜いた歴史があります。


不得意な言い争いを試みても、空気にそぐわない「クレーム」とみなされたり、泣き寝入りしたりと両極端な結果に終わります。


自己主張そのものが悪い訳ではありません。信頼関係を維持したまま「和解案」を導くことが、双方の利益になりますし、より日本人に似合います。


※愚者は時間の多くを争いに費やし、賢者は多くを協力に費やす、という諺があります。

また性急に結論を急ぐことも、日本人には似合いません。
「急ぐ」行為は、「過剰なサービス」に当たります。「お急ぎプラン」を設けて、通常料金との差別化を図るべきです。
※もちろん健康にリスクのある場合は、優先して然るべきです。これはお金が奴隷で、人間が主人であると考えれば納得できます。

グローバル化の現代ですから、会社が生き抜くためには、システムの欧米化、資本主義化が不可欠です。
けれども価値観までを資本主義や契約主義に売り渡す必要はありません。
あくまで人間が主役であり、お金が奴隷です。主従関係は明白です。


クリニックと患者さんの間に主従関係はありません。しかし不合理な自己主張を認めると、お金がつけ入る隙を与えます(主従関係の逆転)。

ことなる文化や価値観を他者に押し付けることは不可能です。
グローバル化の時代には、共通言語は英語でも中国語でもなく、お金です。

個人の人間性や外国人であることを指摘しても、解決の糸口は見えず、双方にメリットはありません。


通常のリクエストには通常の費用で可能です。
過剰なリクエストには、過剰な費用で可能です。

通常のリクエストで契約して、その後にトラブルになった場合には、特例的に「過剰のリクエスト」に契約変更をするべきでしょう。
※「通常プラン」、「プレミアムプラン」などと称すると宜しいでしょう。


クリニックはその両方を用意し、説明し、選択してもらうと宜しいでしょう。


間違っても個人の人間性を否定してはいけません。
双方の100%の主張は実現しません。
双方が30%づつ妥協すると、主張のうちの70%は実現します。
※この30%は「必要経費」「安全の手数料」と理解します。


お金の奴隷となる意見も認めるべきではありません。人間が主役、お金が奴隷ですから、人間の都合によってお金で解決を図ることは悪いことではありません。


「通常プラン」「プレミアムプラン」のように、選択の自由を奪わないことが、トラブル解決の糸口となるでしょう。
人間がお金を奴隷として、積極的に利用することが、患者とクリニック双方の利益となります。



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