症例4 ZAO(頬骨弓骨切り術)の術中所見および、模型手術
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症例4 ZAO(頬骨弓骨切り術)の術中所見および、模型手術

2018年03月21日(水)8:00 PM
■手術記録■
●症例番号:4  頬骨外板切削 (頬骨弓リダクション) (2017年 2月 26日) 1_2018030322473276d.jpg
●アセスメント ・下顎骨は低形成だが(あるいはそれもあって)、頬骨の横幅が突出した印象 ・卵型の輪郭を希望された
●術中所見 耳前部、口腔内2方向アプローチにて剥離、ZAO(zygomatic arch reduction) ※左側のZAO 耳前部外表から皮切にて頬骨へアプローチする。 耳下腺縁からその深層から咬筋筋膜(頬骨下縁の付着部)にかけて存在する深筋膜面を突破するにあたり、 顔面神経を損傷せぬよう、繊維膜を鈍に開きつつ放射状の神経走行に平行となるよう、骨上に割を入れ、これを拡大して頬骨弓部後方において骨膜を露出する。 IMG_0394.jpg 顎関節~結節部の頬骨弓を露出し、縫合線が見えている。
IMG_0395.jpg ZAOの後方の骨切りラインをマーキングしている。
IMG_0402.jpg 口腔内アプローチ。左側C3~5の前庭粘膜切開から、歯槽骨に出て、頬骨下縁へかけてのbuttress上を剥離していく。 視野が狭いが、オリエンテーションとしては、奥の延長上に耳側のアプローチ、向かって左側に眼窩(および眼窩下孔)、その左手奥に側頭窩が位置する。
IMG_0408.jpg 頬骨弓の両側から鈎、セッシなどを骨下に挿入し、軟部織を弓部から圧排して骨切りする。 45°の斜角にて割をいれて、押し込ん陥凹さすことで、弓部の断面の厚み分だけ、横幅を減少させる(arch infracture)。
IMG_0411.jpg 頬骨前方の骨切りライン。ランドマークとしては、手前側は頬骨上顎縫合(やや外側6mm)から、眼窩骨の外側(頬骨前頭突起の外側縁)の角を結ぶラインをイメージして、レシプロソーにて切り込みはじめ、そこから斜め45°で後方へ向かい、頬骨の外板を切り落とすイメージにて進み、側頭窩へ抜けるように切り進めていく。 適宜、骨ノミにて間隙をもうけて方向を確認、耳側アプローチからもソーの先端を指で迎えにいき、切断面を側頭窩へ導いていく。
同じZAOを模型にて再現する。 IMG_0412_.jpg 頬骨の前後の骨切り線を示している。
IMG_0414_.jpg 口腔内アプローチから見た頬骨弓の様子。 視野から奥へ向けてレシプロの刃を入れていく。側頭窩へかけて抜ける。
IMG_0415.jpg 耳前アプローチから見た頬骨弓の様子。 IMG_0416.jpg 骨切りラインにて楔型に5-6mmで中抜きして、内側へ頬骨を押し込む。後方では頬骨弓を側頭窩へ陥没させ、頬骨弓の断面の分だけ移動させる。

IMG_0417.jpg後方の骨切り部をI型プレートにて固定した。
IMG_0418.jpg
皮質の厚みが膨隆として残るようであれば、切削する(斜線の領域)。 IMG_0419.jpg
IMG_0420.jpg 切削後の後方からのview。
IMG_0423.jpg 頬骨の突出具合は3方向から観察する。右側が矯正前、左側がZAO(頬骨弓骨切り)術後である。
IMG_0426.jpg この骨格のアウトラインの上に沿う曲線にて、皮膚が被っている状態をイメージする。 横幅が縮小し、小顔効果が得られていることが確認される。
IMG_0428.jpg
1_2018030322473276d.jpg 2_20180303225243856.jpg
●頭部レントゲン 3_20180303225144cf9.jpg

■麻酔記録■
①身長   161cm、体重  45 kg 基礎疾患  特になし 血圧  110/75 術式  頬骨削り(ZAO) ASA(全身リスク) : 1 ②麻酔法  全身麻酔、経鼻挿管 Mallanpati score :1 チューブ頭頂部固定 GOS(吸入麻酔sevoflurane) sevo 1.8~2.0% 胃管、尿管 を挿入 ③導入 10:30 プロポフォール 100mg エスラックス 45mg ドロレプタン 1.0cc セファゾリン 1000mg 右鼻腔が狭かったため、左鼻腔にてRAEチューブを挿入。喉頭展開は良好。 ④術中vital管理 1回換気量  450cc sevoflurane  1.8~2.2% ネオシネジン 0.1mg×6 エスラックス +1.0mg アドナ 1A セファゾリン 1000mg 術中2時間後経過後に軽度発疹を肩~内ももに観察した。軽度、血圧低下もみた。 抗生剤に対するマイルドなⅠ型アレルギーか。昇圧剤とボリューム負荷にて40分程度で循環は安定した。 発疹に対してはポララミン5mg、ソルコーテフ100mgをivにて経過観察とした。 喉頭浮腫に備えたが、抜管後の気道確保は良好。問題なく覚醒した。 ⑤抜管  15:20 IN(輸液):  2000cc OUT(尿量):  700cc 手術時間: 4:00 出血量:  80cc ⑥術後管理 Aldred score9 覚醒  20分 #.PONV(嘔気)に対し プリンペラン1A、ドロレプタン0.5を追加 #.術後鎮痛に対し アセリオ  1000mg ボルタレン坐薬 50mg ロキソプロフェン 60mg 16:15 飲水 17:15 トイレ歩行 ・追加処方 疼痛に対し ロキソプロフェン60mg 内服 不安に対しマイスリー 5mg 内服 術後血圧 110/80 にて安定 入院: 2泊 問題なく退院した。


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