②骨格系(ベーシック)
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②骨格系(ベーシック)

2018年04月25日(水)3:33 PM

●顔面骨
まずは名称から。覚えるべき骨は以下の4つてす。

①下顎骨    ※一部が下歯槽骨
②上顎骨    ※一部が上歯槽骨
③頬骨
④側頭骨


顔面とは頭部のうち、前面下方にあたる突出部分を指します。顔面は上顔面・中顔面・下顔面に分かれます。

●顔面骨

顔面骨とは頭蓋骨(とうがいこつ)の前面下方にあたる突出部分の骨を指し、上下の顎骨と頬骨、側頭骨の一部(アーチ部)、眼窩の骨などが組み合わせってできています。

頭蓋という概念は、進化・発生上、「顔面頭蓋(内臓頭蓋)」と「脳頭蓋(神経頭蓋)」の2つから成ります。

神経頭蓋→「脳を守る」ための骨
内臓頭蓋→「顔を構成する」ための骨

※「顔」の構成要素が、なぜ「内臓」という呼び方をするのか疑問に思うでしょう。これは哺乳類の「顔」が魚時代の「腮」に由来するからです。
魚時代、呼吸器官であった「腮」やそれを動かす「内臓呼吸器」は、やがて哺乳類の顔を構成する「咀嚼筋」「表情筋」「嚥下(えんげ)筋」「発声筋」へと発達していきました。サメは腮で情動を表すが、人は表情筋で情動を表現します。

本サイトでも繰り返し登場しますが、何番目の腮が、何番目の脳神(CN、Cervical Nerve)とどの筋へと分化したかを覚えてください。
・第1腮弓(下顎弓)
  上顎骨、下顎骨
  三叉神経の(V2・V3)
  咀嚼筋(咬筋、側頭筋、内外の翼突筋) 
・第2腮弓(舌骨弓)
   顔面神経(CN Ⅶ)
   表情筋、舌骨上筋(茎突舌骨筋、顎二腹筋)
   舌骨(中央部)
・第3腮弓 
   舌骨(両端)  
・第4・6腮弓 
   咽頭の筋(口蓋帆挙筋、咽頭収縮筋)

※ゆっくり腮の形態が進化する様子をイメージしてください。発生が同じ物は同一の筋膜で囲まれ、同一の神経支配を受けます。
 咬む筋がすべて三叉神経の運動枝に支配され、また咀嚼筋膜に覆われることは合理的で、その内部のスペースが「咀嚼隙」と呼ばれることは理解できます。
図で見て分かる通り、フェイスラインの下縁にそって第2腮弓由来の組織は配置します。顔面神経は中脳を出た後、骨の内部トンネルと咀嚼筋の浅層を、分枝しながら複雑に走行します。
ヒモ構造は枝も多く、層も複雑なことから、解剖を覚えることは「面倒くさい」と感じるでしょう。しかし進化・発生がそのヒントを提供してくれます。
またこれら重要構造の解剖こそが、当サイトの目的です。最初は意味不明であっても、名称から慣れてください。繰り返しさまざまな図や動画で、ヒモ構造(A,V,N)の走行を説明しますので、夢に出てくるほどに繰り返して目に焼き付けてください(その時、あなたは「外科医の目」を持っています)。


また進化の過程でも、顎骨が同様に発達していきます。顎骨を持たず、獲物を丸のみする原始魚類(無顎)から、顎骨が発達して軟骨顎をもつ魚類、骨性の顎や歯を持つ魚類、四肢をもつ陸棲生物、丈夫な顎骨と歯を持つ哺乳類へと進化していきます。
咀嚼に関する筋骨格(顎骨、咀嚼筋)や嚥下に関わる筋骨格は消化器系の入口部であり、この部位の進化の過程を辿ることは、古生物の進化を辿る上で重要です。
顎骨と咀嚼筋の進化は、捕食効率や消化効率を高め、生態系の優位に立ち、また高いエネルギー効率を実現します。
※エネルギー同化率
被食者から摂取したエネルギーのうち、何%を捕食者が同化したのかを同化率といいます。実際には摂食した食物のすべてが消化吸収されるわけではなく、吸収されずに排出されるエネルギーもあり、食物を得るための運動エネルギーも大量に消費されます。
陸上の緑色植物のエネルギー同化率は約1%。草食動物では、栄養価の低い植物が食物であり、約10%。肉食動物のエネルギー同化率は高く、約30%。
強力な顎を持つ肉食獣がたまに狩りをすれば良いことは、いかに効率が良いかお分かりでしょう。その中でも人類は、膨大なエネルギーを脳の発達に費やすことで道具、言語や協調性を獲得して、生態系の頂点を不動のものとしました。




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